彼女は渡さない~冷徹弁護士の愛の包囲網

「あ、んっ」

 先生は覆いかぶさり、私の昨日の残ったところを探る。

「またこうやって反応するんだな。やはり見てしまったらだめだ、少しだけ可愛がらせてくれ」

 そう言うと、私をあっという間に抱き寄せてそこに吸い付いた。

 * * *

 先生は私が服を着て準備をしている間に、軽く朝食を作ってくれた。先生に作ってもらったのは初めてだった。

 コーヒーを後から私が入れてダイニングで向かい合った。恥ずかしくて目を合わせられない。

「そんなに赤くなって、君は僕をどうしたいんだ?」

「え?」

 先生は私の横に回ってきて、顎に手をかけるとチュっと軽いキスをした。驚いている私を見てにやりと笑う。

「まだ序の口だぞ。少しづつ相性を探っていくんだからな。今晩も覚悟しろよ」

 相性って……私をじっと見つめる先生の色気に当てられて、朝ごはんがすすまない。

「佳穂。わかっているだろうが、離婚はしない。いいね」

「はい」

「まずは、君のお爺さんの借金返済と畑について相談してみよう。僕が借金は間に入って肩代わりする。家族なんだから当たり前だ。ただ、佳穂と勝手に結婚したと知ったら怒るだろうな」

「はい。あの……でも私が今幸せならわかってくれると思います」

「そうか」

 先生は私の手を優しく握った。




 
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