彼女は渡さない~冷徹弁護士の愛の包囲網
「先生。佳穂のこと幸せにしてやってください。新しい人生をこの子に……きっとここを出たほうがこの子にはいいと思います。ここは昔のことがありすぎる」
「おばあちゃん!」
「お任せください。命に代えても彼女は守り、そして幸せにします」
「先生……」
「それと、お爺様」
「はい、なんですか?」
「彼女にご希望されたひ孫ですが、そう遠くないうちにお見せできるよう頑張りますので、どうかお元気で少しだけ待っていてください」
私達は驚いて先生を見つめた。そしてお爺ちゃん達と佑が私をじいっと見た。恥ずかしい。私はびっくりして顔を覆った。先生はにっこりと笑った。佑はチェッと言って出て行った。