彼女は渡さない~冷徹弁護士の愛の包囲網
「籍を入れたら……結婚したらここで毎日一緒に寝るぞ」
「え?」
「そうしたらこうやって君を毎日可愛がる。結婚は最高だな」
先生は色気の漂った目で朝から私をじいっと見た。私はどうしていいかわからずもじもじしていたら、先生が立ち上がった。
「……しょうがない、着替えるとするか。ちょっと部屋を出ていてくれ。着替えたらそちらに行く。ん?もしかして僕の着替えも見たいのか?」
またにやにやしながら聞いた。
「そんなわけないじゃないですか!」
「そうか、残念。見せてやってもよかったのにな」
私はそそくさと先生の寝室を出た。外に出ると心臓がどきどきした。
「先生、色々と反則だ……私、どうしよう……」
先生はラフな部屋着に眼鏡をかけて出てきた。こんな格好もあまり見ないので貴重だ。先生はテーブルの上を見て驚いている。
「これ、全部君が作ったのか?こんなに材料買ってあったのか?」
目の前にはパンや卵焼き、サラダに焼いたソーセージなど、ごく普通の朝食。
「そうです。あ、先生の好きな卵焼きにしましたよ」
「さすが佳穂。好き嫌いを把握してくれているからな。君が妻だと色々と説明が必要ないし、楽でいい」
「……もう、先生ったら……」