彼女は渡さない~冷徹弁護士の愛の包囲網
問題の解決
「水世。君の借金騒動は解決した。今日の昼間、闇金組織の代表に釘を刺しておいたから大丈夫だ」
三日後の帰り道、先生は急に私に言った。
「え?」
「もう大丈夫だ。おそらくあいつらはもう来ない。だから、普通に生活してかまわないと思う。でも警戒はしばらく必要だぞ」
「本当ですか?」
「ああ、本当だ。あそこの事務所に直接行って来た。諒介も同席した。僕ら二人を相手にして何かしたらあの組織はおしまいだ。あいつらの舎弟の弁護もしたことがあるからな」
そういうことだったのか……。
朝から川口先生が来てふたり一緒に出掛けて行った。スケジュールは何も入れていなかったので何だろうと思っていたのだ。
川口先生は野暮用でねと私にウインクして先生と肩を組んで出て行った。どこかにふたりででかけるのかしらと佐々木さんは言っていたが、池田さんは薄く笑っていた。きっと行き先を知っていたんだ。池田さんはなんだかんだで先生の腹心。佐々木さんの知らないことまで先生について実は知っている。
私は先生に頭を下げた。
「先生。本当にありがとうございました。解決金をお支払いしたほうがいいですよね」
「報酬?妻として思う存分これから恩返しをしてくれ」
私はびっくりして先生を見て赤くなった。先生は嬉しそうに私の頬をなでた。結局籍は入れたが、一緒に私達は寝ていなかった。何しろ先生が出張前で忙しすぎてほとんどベッドで寝ていないのだ。
「そうだ、ご一緒に行ってくださった川口先生にはお礼の報酬をお支払いしたほうがいいですよね」
「ああ、あいつには条件を出されてしまったんだ。実はね……」
先生が眉間にしわを寄せて言った。
三日後の帰り道、先生は急に私に言った。
「え?」
「もう大丈夫だ。おそらくあいつらはもう来ない。だから、普通に生活してかまわないと思う。でも警戒はしばらく必要だぞ」
「本当ですか?」
「ああ、本当だ。あそこの事務所に直接行って来た。諒介も同席した。僕ら二人を相手にして何かしたらあの組織はおしまいだ。あいつらの舎弟の弁護もしたことがあるからな」
そういうことだったのか……。
朝から川口先生が来てふたり一緒に出掛けて行った。スケジュールは何も入れていなかったので何だろうと思っていたのだ。
川口先生は野暮用でねと私にウインクして先生と肩を組んで出て行った。どこかにふたりででかけるのかしらと佐々木さんは言っていたが、池田さんは薄く笑っていた。きっと行き先を知っていたんだ。池田さんはなんだかんだで先生の腹心。佐々木さんの知らないことまで先生について実は知っている。
私は先生に頭を下げた。
「先生。本当にありがとうございました。解決金をお支払いしたほうがいいですよね」
「報酬?妻として思う存分これから恩返しをしてくれ」
私はびっくりして先生を見て赤くなった。先生は嬉しそうに私の頬をなでた。結局籍は入れたが、一緒に私達は寝ていなかった。何しろ先生が出張前で忙しすぎてほとんどベッドで寝ていないのだ。
「そうだ、ご一緒に行ってくださった川口先生にはお礼の報酬をお支払いしたほうがいいですよね」
「ああ、あいつには条件を出されてしまったんだ。実はね……」
先生が眉間にしわを寄せて言った。