先生の金魚
教室に戻ってきたら、
貴重品以外の荷物は置いたままだったから
また朝とおんなじ席に座った。
隣にはもちろん紅さん。
相変わらず背骨が強化されたみたいな
真っ直ぐな背筋。
なのにブレザーの襟の首元が
ちょっと捲れている。
立ち上がって、
襟に触れたら紅さんは
ビクッて肩を震わせた。
「あ、ごめんね?襟が捲れてたから」
「えっ…あ、ごめんなさいっ!直してくれようとしたのに失礼な反応しちゃった」
「ううん。メグこそごめん。びっくりしちゃうよね」
ちょっと首を傾げて見せたことに
意味なんか何もない。
ただの演出。
ちょっとした愛嬌。
そうしていればきっと
メグは″怖い存在″ではなくなるから。
貴重品以外の荷物は置いたままだったから
また朝とおんなじ席に座った。
隣にはもちろん紅さん。
相変わらず背骨が強化されたみたいな
真っ直ぐな背筋。
なのにブレザーの襟の首元が
ちょっと捲れている。
立ち上がって、
襟に触れたら紅さんは
ビクッて肩を震わせた。
「あ、ごめんね?襟が捲れてたから」
「えっ…あ、ごめんなさいっ!直してくれようとしたのに失礼な反応しちゃった」
「ううん。メグこそごめん。びっくりしちゃうよね」
ちょっと首を傾げて見せたことに
意味なんか何もない。
ただの演出。
ちょっとした愛嬌。
そうしていればきっと
メグは″怖い存在″ではなくなるから。