先生の金魚
六時間目が終わったら
ホームルームの前に掃除の時間がある。
班ごとに週替わりで掃除場所が決められていた。
今週のメグ達の六班は…
「ねぇ、この斜線ってなぁに?」
教室の掲示板に貼られている掃除当番表を見て
同じ班の男子に訊いた。
「あー、俺ら今週は当番無いんだよ」
「そうなの?」
「ほら、二班も。全校生徒で割り当てたってそんなに掃除場所無いからね。当番を免れる班もあるんだろ」
「ふーん。ラッキーだね」
「そうだね。時枝さんに話しかけられるきっかけにもなったし?」
「なにそれ、くだんない」
右の口角だけを上げて
ふんってそっぽを向いたら
男子は「あれ、性格はキツめなの?」って笑った。
そんなことはどーでもいいから
せっかく当番を免れたんだし、
メグは職員室に向かった。
せんせーが居るかもしれないし
隣のクラスの美人教師とイチャついてないか
監視しなくっちゃ!
ちょっと早足で職員室まで行ったけれど
そう言えば入学二日目。
職員室に来たのも初めてだから
せんせーの席がどこか分からない。
入口でキョロキョロしていたら
メグの後ろから入ってこようとした生徒に声をかけられた。