先生の金魚
メグのせんせー
(めぐり)ちゃんとおんなじクラスになれてうれしい」って笑う中学の頃からの同級生と、
連絡先交換しようよって
スマホを突き出す男子。

隣の席の女の子は、
夜みたいに黒い髪の毛を顎よりちょっと短いくらいにしてて
前下がりのショートボブヘアだった。
サラサラストレートだった。

恐ろしくちっちゃい輪郭の中で
バグかって思うくらいに大きな瞳。

髪の毛の夜とおんなじ、
真っ黒だった。

背中に物差しでも入れられてるのかなって思っちゃうくらいに
ピンってきれいに伸びた背筋。

ジッと見ていたら視線にバレてしまったのか、
その子がゆっくりとメグのほうを見て微笑んだ。

母親の表情の真似をする赤ちゃんみたいに
メグも微笑み返したら、
中学の同級生が「もーっ!迴ちゃんっ!ほんっとにカワイイ!大天使様!」なんて言いながら
ギューッて抱き締めてきた。
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