先生の金魚
事件の真相は結局掴めないまま
六月が過ぎた。

毎日いろんなことが起こる中で
金魚のことなんていつの間にか忘れ去られた。

サヨちゃんだって事件のことは当然知っているくせに
メグにはなんにも言ってこなかった。

それよりもきっと
せんせーが盛大なケアをしたに違いない。

何があっても
メグが何をしても
自分にはせんせーが居る。
その優越感がサヨちゃんを強くしている。

メグは内心、焦っていた。
サヨちゃんには早く死んでもらわなきゃ。

こうしている間にも
メグの恋がちょっとずつ死んでいく感覚がする。

せんせーとキスしたんだよ。
そう告げればサヨちゃんの心を簡単に壊せることは分かっていた。

だけどそんなんじゃ全然ダメ。
メグの恋が完全に死んでしまう前に。

サヨちゃんにはもっと、
残忍な最期を…。
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