先生の金魚
生あたたかい。

ドロドロの血液。

指の隙間からこぼれてゆく。

複数の血液がこびりついて
鈍くなった刃先で無理矢理裂いた皮膚が
ズクズクと疼く気がした。

狭くなっていく視界。

最期の最期まで
せんせーを見つめていたかったのに

真水の中、

小さい小さい二匹の金魚が
点になってたゆたっていた。


「先生の金魚」   完.
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