霧の向こうの青い鳥
優子は尚子の隣に腰を下ろした。二人は黙って夜景を眺めていた。


「きれいね」優子がつぶやいた。


「ええ、本当に」



尚子の声には、どこか切なさが混じっていた。



優子は思い切って尚子の方を向いた。



「尚子さん、聞きたいことがあるの」



「なあに?」



尚子も優子の方を向いた。




月明かりに照らされた尚子の顔は、いつもより儚げに見えた。





「尚子さんは...本当は誰なの?」






優子の声は震えていた。
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