霧の向こうの青い鳥
尚子は一瞬驚いたような表情をしたが、


すぐに柔らかな笑みを浮かべた。



「気づいていたのね」






尚子はため息をついた。









「実は私...」




尚子は立ち上がり、月に向かって深呼吸をした。そして、優子の目の前でかつらを外し、服の一部を脱いだ。




「私の本当の名前は昂。男なんだ」




優子は息を呑んだ。目の前に立っているのは、確かに男性だった。しかし、その目は間違いなく尚子のものだった。



「驚いた?怒ってる?」昂の声には不安が混じっていた。



優子は立ち上がり、昂の前に立った。そして、彼の手を取った。




「驚いたわ。でも、怒ってなんかいないわ」優子の声は静かだったが、確信に満ちていた。
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