キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
おじいちゃんは私が糸奈学園に入学することになった時、とても喜んでくれた。
制服姿を見て「おばあちゃんの若い頃にそっくりだなぁ」と嬉しそうにしてくれた。
「D組に落ちることになった時、全然嫌じゃなかった。おばあちゃんと同じだって思ったから。だから、ちゃんと卒業したいの」
「何それ、めっちゃ泣けるんだけど。つづりん健気すぎて泣く」
「まー、うちの母親は会社倒産して知らない男の人と出て行ったんだけどね〜」
「いい話の後にめっちゃぶっこむ〜!!」
うちの両親みたいなパターンもあるから、この学園で素敵な人と出会いたいって夢みてるわけじゃない。
でもやっぱりいいな、素敵だなって思うから私も糸奈学園を卒業したいって思うんだ。
「だからお父さんに頼んでみるよ」
「つづりんのパパって地方で出稼ぎしてんだっけ?」
「うん、寄付金多めに振り込んでもらえないかって頼んでみる」
借金返済と生活費稼ぐだけでいっぱいいっぱいだと思うけど……何とかお願いしてみるしかないよね。
「てかさ〜、つづりんもA組のハイスペイケメンに見初められちゃったりするんじゃないの!?」
紗良ちゃんは急にキラーンと目を光らせる。
「おじいちゃんとおばあちゃんみたいな運命の出会いがあるかも!?」
「いやー、それはないと思うよ」