キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
ワクワクしてる紗良ちゃんには悪いけど、その可能性はない。
「この学園クラス替えないから初等部から一緒でA組のメンバーみんな知ってるけど、そんな人いなかったよ」
「急に毒舌でウケる」
イケメンといえば、昼休みにぶつかりそうになったピンク髪の彼。
あの子は本当に綺麗なお顔をしてたなぁ。
てかやっぱり後輩?
一年生か二年生ってことかな?
「そういえばね、紗良ちゃん」
「あっ! そろそろ行った方がいいんじゃない?」
言われて時計を見たら、あと十分くらいだった!
「あー、ほんとだ! ごめん、紗良ちゃん!」
「ぜーんぜん! 寄付金、何とかなるといいね〜」
「ありがとう!」
私はダッシュでコンビニに向かう。
走ったら三分で着いちゃった。
今日も頑張って稼ごう!
少しでも寄付金の足しになるように。
おじいちゃんとおばあちゃんのなれそめを聞いてから、私も糸奈学園に通うことに憧れていた。
特におじいちゃんとおばあちゃんが出会ったのは高等部の時だから、尚更やめたくない。
おじいちゃん、おばあちゃん。
どうか天国から見守っていてね……。
「千歳さん! ちょっといいかな?」