キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


「こ、ここがお家……?」

「そう」

「大きいね!? 私の元の家より大きくて広いんじゃない!?」

「そうかな」

「流石玖央ホールディングス……!」


 まあ確かにやたらとデカいけど。
 母さんが双子を妊娠してるってわかった時、少しでも広々とした環境で子育てができるようにと義父が一から建て直した。

 敷地も広げて有り余る程あるのに、俺のことは追い出した。
 おかげでつづと一緒に住めるようになったからいいんだけど。


「ただいま」

「にーちゃん!」

「にーちゃーん!」

「おっと」


 帰宅早々小さな弾丸に突撃された。


「ただいま瑠維(るい)瑠紀(るき)

「おかえり!」

「にーちゃん、おかえり!」


 ちょっと見ない間にまたデカくなった気がするな。


「お帰りなさい、綺世」

「ただいま」

「あら、そちらの方は……」


 母さんはすぐにつづに気がついた。
 つづは一歩前に出ると、深々とお辞儀して挨拶する。


「お久しぶりです! 綴です」

「えっ!? 綴さま……!?」


 母さんは口に両手を当てて驚いていた。


「さまはやめてください! もうそんな関係じゃないので……」

「あ、ああ、そうですね。綴さん、お久しぶりです」


 当たり前だけど母さんはかなり戸惑ってる。


「にーちゃん、このこだれー?」

「だれー?」

「この子は綴お姉ちゃんっていって、兄ちゃんの大事な人」

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