キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


 つづのことは何があっても守り抜く。

 ……手出さないでいられる保障はないけど。
 それはつづ次第だな。


「つづー、ぼーるー!」

「ぼーるであそぼ!」

「次はボールね!」


 つづはやんちゃな二歳児たちに根気よく付き合っている。
 遊ぶのに夢中で多分俺と母さんの話は聞こえてない。


「瑠維、瑠紀。そろそろつづを兄ちゃんに返して」

「えー? なんでー?」

「にーちゃんのなのー?」

「そうだよ。つづは兄ちゃんのものだから」

「ちょっ、あやくん!」


 真っ赤になるつづ、かわいいな。


「にーちゃんずるい〜」

「つづともっとあそびたいよ〜」

「瑠維、瑠紀。そろそろおやつにしましょう。ケーキ焼いたのよ」

「けえき!」

「やったあ!けえきだぁ!」


 ケーキと聞くと途端に瑠維も瑠紀もはしゃぎ始める。


「綴さん、遊んでくださってありがとうございます。綴さんもケーキ召し上がってくださいね」

「あ、ありがとうございます!」


 母さんが作ってくれたのは、にんじんを使ったキャロットケーキだ。
 野菜嫌いの双子のため、少しでもおいしく食べられるように考えて作った。

 俺がガキの頃にもよく作ってくれたな。


「ん〜! おいしい! あやくんのお母さんの手作りケーキ、やっぱりめちゃくちゃおいしいですね!」

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