キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


 今のはストレートにキュンとした。
 あやくん、そんな風に考えてくれてるんだ……。

 すごく嬉しいな。


「ありがとう。私もあやくんと一緒にいたいからちゃんとお父さんに話したい」


 それからこれからの進路のことも。


「そういえば、あやくんは将来玖央ホールディングスを継ぐことになるの?」

「いや、全くそんなつもりないよ」

「そうなんだ」

「俺はこのまま自分の事業をもっと拡大していくつもり。できれば他にもやってみたいことあるんだよね」

「すごい!」

「今はティーン向けファッションだけど、もっと幅広い世代からも好まれるように拡大していきたい」


 あやくんは進路どころか、既に自分がどうなりたいのか決まってるんだ。
 純粋にすごいなと思った。

 昔は私の後ろをくっついていたのに、今は何歩も先を歩いてる。
 むしろ私の方が置いて行かれてるような気がする。


「カッコいいね、あやくん」


 あやくんの隣にいても恥ずかしくないように、私ももっと頑張らないと。


「いつの間にか大人になってたんだね」

「早く大人になりたかったからね。つづに追いつきたくて」

「え、私?」

「俺が頑張ろうと思うきっかけは、いつもつづだよ」


 そう言ってあやくんは私のことを後ろから抱きしめる。


「え……? 私何かした?」

「ガキの頃の二歳差ってデカいじゃん。早く大人になってつづを守れる男になりたかった」

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