キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


* * *


 週末、私はあやくんと一緒にお父さんのお見舞いに行った。
 電車を乗り継いで遠方までだから、小旅行みたいだ。

 あまり電車で遠出したことなかったから、楽しいな。
 駅弁を食べながらというだけでもうテンションが上がる。


「ん〜! おいひい!」


 私はいくらとサーモンの海鮮弁当にしたんだけど、もうすっごくおいしい!
 ちょっとお高めだけど、たまにはハメ外しなよって言われて奮発しちゃった。


「つづ、ご飯粒ついてる」

「ん?」

「ここ」


 あやくんは私の唇のやや右下についていたご飯粒を指で取る。
 そしてそれをペロっと自分の口に入れた。


「これも間接キスになる?」

「……っ!」


 そ、そんなこと聞かれても……!!


「ごちそうさま」

「もう! あやくんったら……」


 ただでさえ私服のあやくん、カッコ良すぎてドキドキしちゃうのに。

 ゆったりサイズの派手な柄シャツをカッコ良く着こなしてるのは、ピンクの髪とよく似合ってるから。
 細身のスキニーパンツはスラっとした脚の長さを強調してる。
 黒いキャップもカッコいい。

 ちなみに全身destinyの服というコーデ。
 自分のブランドの服をここまでカッコ良く着こなせるの、あやくんだけじゃないかな?

 あやくんは最初、お父さんに会いに行くからもう少し落ち着いた服装にして髪も黒く染めるって言ってたけど、私が止めた。

 お父さんにも見てほしいんだ、私が好きになったありのままのあやくんを。

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