キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
そこであやくんを呼んで入ってもらった。
あやくんはキャップを外し、丁寧にお辞儀する。
「お久しぶりです、佐野綺世です」
「あっ綺世くん!?」
お父さんはまたまたびっくりする。
「母が再婚して今は玖央になりました」
「そ、そうだったのか。紘子さんが再婚とはおめでたい。いや、それにしても綺世くん、随分変わったね」
お父さんは上から下までまじまじとあやくんを見つめている。
特に鮮やかなピンク色の髪が気になるようで、視線が頭にばかりいっていた。
「あやくんね、あの玖央ホールディングスの御曹司なんだよ」
「く、玖央ホールディングス!?」
「しかも自分でファッション通販サイトを立ち上げて、社長さんやってるの。今私が着てる服もあやくんのブランドのものなんだ」
「そ、そうなんだ……すごいね」
お父さんはあまりの衝撃に驚きが隠せていない様子だ。
「それでね、今あやくんと一緒に住んでるの」
「ええっ!?」
「元々一人暮らししてて、そのお家に転がりこませてもらったんだ」
「え、えっと、その二人は……」
「交際しています」
はっきりと言い切ったあやくんの言葉に、お父さんが面食らうのがわかった。
「ずっとつづのことが好きでした」
「…………」
「お父さん、黙っててごめんなさい」