キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
「私にできるかな……?」
「できるよ」
「綴、やってみたらいいんじゃないかな」
お父さんも穏やかに微笑みながらそう言った。
「綺世くんとなら安心だ。二人で頑張ってみたらいい」
「お父さん……」
「お父さんは綴のやりたいことならなんでも応援するよ」
その言葉に思わず目頭が熱くなった。
思えばお父さんは、昔から私のやりたいことをなんでもやらせてくれた。
頑張れっていつも背中を押してくれたんだ。
「家事も一緒にやろ。今はつづに甘えっぱなしだけど、俺もちゃんとやる」
「あやくん」
「そうやって二人で助け合いながら、一緒に頑張ろうよ」
「……うん、一緒にやりたい」
自分に何ができるのかわからないけど、できることはやりたいと思った。
一人で焦って何かしなきゃって思ってたけど、あやくんは一緒にやろうって言ってくれるんだね。
年上なのに私のがしっかりしてないなってちょっぴり凹むけど、嬉しい気持ちの方が大きい。
これからも二人で頑張っていけたらいいな――。
*
「あ〜緊張したぁ」
病院から出ると、あやくんは大きく息を吐いていた。
「今までで一番緊張した」
「そんな風に見えなかったけど」
「必死で隠してたからね。てか進路のこと、なんで先に話してくれなかったの?」