キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
私はちょっと言葉を考えてから答えた。
「ずっと考えてて自分でも上手くまとまってなかったんだ。私ね、本当は卒業したらお父さんのところに行ってそっちで就職しようと思ってたの」
「そうだったんだ」
「でも、あやくんと離れるのは嫌だなって思うようになって。だけどあやくんと一緒にいたいからお父さんのところに行かないのは、なんか違う気がしたんだ」
上手く言えないけど、それだけで本当にいいのかなって思ってしまった。
あやくんは前を見据えて頑張っているのに、なんだか自分がとてもちっぽけに思えてしまったんだ。
「でも、あやくんのお母さんが家政婦さんをやってくれてたこと思い出して、家事も立派な仕事なんだって気づいたの。あやくんが喜んでくれて、それで支えになれたら嬉しいなって」
「……つづらしいね」
あやくんは目を細めて優しく微笑むと、そっと私の手を取って握りしめた。
「好きだよ、つづのそういうとこ」
「あ、ありがとう……?」
急に好きって言われると照れちゃう……。
「一緒にいたいってそれだけで大きな理由だと思うけど、つづは真面目だね」
「そうかな?」
「destinyってブランド名さ、つづが付けたんだよ」
「えっ!?」
私が付けた? どういうこと??
「覚えてない? 運命の赤い糸ごっこ」