キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


「私、もらってばかりだよ……」

「なんで? 俺はつづをもらうんだからいいじゃん」

「うう……っ」

「意味わかってるよね? ――全部だよ」


 耳元でささやかれてゾクっとした。
 つつ、とあやくんの指が私の背中をなぞる。


「……っ!」


 太ももを撫でられると、体が痺れるみたいに反応してしまう。
 耳たぶを舐められ、甘噛みされてどんどん体に熱が回っていく。


「や……っ、でも、高校生の間は清いお付き合いって」


 お父さんと約束したのに……!


「つづはもう高校生じゃないじゃん」

「あやくんはまだ高校生だよね!?」

「別に二人とも高校生の間とは言われてなくない?」


 そ、そんなヘリクツだよ!


「つづはしたくない?」


 そういう聞き方するのはずるいんじゃないかな……。
 したくないなんて、そんなことあるわけない。

 こわいなって気持ちもあるけど、あやくんとなら……って思ってるよ。


「……したい、けど」


 やっぱり恥ずかしい。


「ううう」

「ごめんごめん、イジワルした」


 あやくんは優しく頭を撫で、額にキスを落とす。


「その気持ちが聞けただけで充分だから」

「もうちょっとだけ、待って」


 今はまだ勇気が足りなくていっぱいいっぱいな私を、あやくんはぎゅっと抱きしめてくれた。


「うん、待ってる。あんまり待てないかもだけど」

「〜〜っっ、がんばります……!」

「ははっ」


 あやくんは楽しそうに笑いながら私の頬を撫で、視線が絡み合う。
 イジワルで小悪魔的で、私が欲しいってストレートに求めてくる瞳が愛おしくてたまらない。


「つづ、大好きだよ」


 優しくささやいて、極上に甘いキスをくれた。
 きっと私はこれからもずっと、あやくんの愛に溺れ続ける――。


 fin.

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