キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
運命的な再会
「本日から家政婦としてお世話になります、佐野紘子と息子の綺世です」
「さのあやせです」
初めて会ったのは、私が八歳であやくんが六歳の時。
まだ会社が上手くいっていて今より大きなお家に住んでいた時、家政婦としてやってきたお母さんに連れられていたのが、あやくん――佐野綺世くんだった。
あやくんはくりくりとした黒目がかわいくて、天使みたいにかわいい。
お母さんの後ろに隠れて緊張しているのがもっとかわいい。
「はじめまして、つづりです! よろしくね」
「……つづちゃん?」
「綺世、ちゃんと教えたでしょ? 綴さまと呼びなさいって」
「えー、そんなのいいよ! つづちゃんでいいからね」
「つづちゃん」
ほわっと微笑むあやくんは本当に天使だと思った。
住み込みで来てくれることになったので、それから私とあやくんは毎日一緒だった。
「つづちゃん、あそぼ」
あやくんは大人しくて物静かであまりおしゃべりではないけど、私のことを慕って懐いてくれている。
もうそれがかわいくてかわいくて仕方ない。
きっときょうだいがいたらこんな感じなんだろうなと思ったし、実際あやくんは弟みたいな存在だった。
「つづちゃん、すきだよ」
「わたしもあやくん大好きだよ!」
ああ、あやくんってなんてエンジェルなの……。