キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
次の瞬間、私の背中はソファにピッタリとついていた。
あやくんの黒い真珠みたいな瞳が私を見下ろしている。
押し倒されていると気づくまで、数秒かかった。
「男の部屋に上がり込んで何も感じないの?」
「……え、だってあやくんだから……」
「ムカつく」
えっ、なんで!?
私何かまずいこと言った……?
あやくんはとても不機嫌そうだ。
何か怒らせるようなことしちゃったかな……。
「――っ!」
突然首筋にぞわ、とした感覚が走る。
「っ! や……っ!」
あやくんの顔が私の首元にある。
首元に顔をうずめて、首筋に舌を這わせている。
「やっ、あやく……っ!」
なにこれ、ヘン。
触れられたところがゾクゾクする。
感じたことのない感覚に怖くなって、身をよじろうとするけど腕をしっかりつかまれて動けない。
「〜〜っ、やだ……っ!」
なんで? なんでこんなことするの?
あやくんは、こんなことする子じゃ……!
「……わかったでしょ?」
「……?」
「もうガキの頃とは違うんだよ」
あ、あやくん……?
「あんまり無防備だと今よりすごいことするから」
そう言ってあやくんは私を解放してくれた。
い、今よりすごいことって何……?
「てゆーか、本当にあやくん……?」
いつも私の後ろをくっついてくるかわいくて天使みたいな弟だったのに。
あんなあやくん、知らないよ――。