キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
ぴ、ピンク王子??
「誰それ?」
「え、知らないの? 一年のピンク頭の超絶イケメン」
「それ、あやくんのこと?」
「知ってんじゃん! 玖央綺世」
くおう、あやせ??
もう私の頭の中にはてなマークがどんどん積み上がっていく。
「……佐野じゃないの?」
「誰? 玖央ホールディングスの御曹司、玖央綺世でしょ。でもってピンク王子!……あたしが付けたあだ名だけどね〜」
く、玖央ホールディングス!?!?
その名前は流石の私でも知っている。
国内有数の超大手企業で千歳商事がまだあった頃は、ちょっとだけ取引があったと言っていた。
う、嘘でしょ……あやくんがあの玖央ホールディングスの御曹司!?
どういうことなの!?
「さ、紗良ちゃん! あや……玖央くんのこと教えて!!」
「えー? てかつづりん、知らなかったん? 入学した時からとんでもないエリートイケメンがきたって騒がれまくってたし」
全然知らなかった……。
アルバイトに必死だった……。
「一年だけどあの玖央の御曹司だから、お近づきになりたいやつが多いっぽい。しかも顔面つよつよだからめっちゃモテてる。結構遊んでるらしいよー?」
「あ、遊んでる……?」
「女の子取っ替え引っ替えしてるって噂〜」
取っ替え引っ替え!?
あのあやくんが!?
「ま、あんだけイケメンなら一回くらい遊ばれてみたいかも〜」
「ダメだよ!!」
「ジョーダンだし〜」