キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


 ぴ、ピンク王子??


「誰それ?」

「え、知らないの? 一年のピンク頭の超絶イケメン」

「それ、あやくんのこと?」

「知ってんじゃん! 玖央綺世」


 くおう、あやせ??

 もう私の頭の中にはてなマークがどんどん積み上がっていく。


「……佐野じゃないの?」

「誰? 玖央ホールディングスの御曹司、玖央綺世でしょ。でもってピンク王子!……あたしが付けたあだ名だけどね〜」


 く、玖央ホールディングス!?!?

 その名前は流石の私でも知っている。
 国内有数の超大手企業で千歳商事がまだあった頃は、ちょっとだけ取引があったと言っていた。

 う、嘘でしょ……あやくんがあの玖央ホールディングスの御曹司!?
 どういうことなの!?


「さ、紗良ちゃん! あや……玖央くんのこと教えて!!」

「えー? てかつづりん、知らなかったん? 入学した時からとんでもないエリートイケメンがきたって騒がれまくってたし」


 全然知らなかった……。
 アルバイトに必死だった……。


「一年だけどあの玖央の御曹司だから、お近づきになりたいやつが多いっぽい。しかも顔面つよつよだからめっちゃモテてる。結構遊んでるらしいよー?」

「あ、遊んでる……?」

「女の子取っ替え引っ替えしてるって噂〜」


 取っ替え引っ替え!?
 あのあやくんが!?


「ま、あんだけイケメンなら一回くらい遊ばれてみたいかも〜」

「ダメだよ!!」

「ジョーダンだし〜」


< 26 / 138 >

この作品をシェア

pagetop