キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
待って待って、全然頭がついていかない。
あやくんがあの玖央ホールディングスの御曹司で、女の子取っ替え引っ替えするほど遊んでる……?
それは、本当に私の知ってるあやくんなの?
「ピンク王子のマネして髪の毛ピンクに染める男子増えてるらしーよ。あれは顔が良くないと似合わないのにね〜」
「…………」
「つづりーん? どうしたの〜?」
私は完全に考えることを放棄した。
*
授業を受けてる間もずっとあやくんのことを考えてしまう。
あのあやくんが女の子を取っ替え引っ替えして遊んでるなんて、絶対嘘だ!!
だってあやくんはそんなことする子じゃないもん!
とにかく、ちゃんとあやくんに話を聞こう。
私たちが離れている間、何があったのか。
「……さん、千歳さん!」
「……へ?」
声をかけてくれていたのは、隣の席の結川真尋くん。
このクラスの学級委員長でメガネが似合う優しくて真面目な男の子。
「ノート、集めてもいいかな?」
「あっ!」
そうだ、今日は授業の後にノート集める日だった!
「ごめんね! いつもありがとう!」
「ううん、千歳さんもしかして元気ないの?」
「えっ」
「なんか今日は上の空に見えたから……」
あちゃー……、授業に集中できてないのバレちゃってたか。