キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


 一千万円もの寄付金を払ってもらってるんだし、やるしかない。

 あやくんを更正させるためだと思えば……!


「ん、決まりだね」


 あやくんはニヤッと笑うと、立ち上がって私のデッキチェアに座った。


「……っ!!」


 あっという間に腰に手を回され、動けなくされてしまう。


「今からつづは俺のもの」

「え……っ」

「そうでしょ? 俺がつづを雇うんだから」


 そ、そういう意味か……。


「俺のものになるんだから、他の男とはするなよ?」

「し、しないよ……っ!」

「いい子」


 こんなことおかしい。
 絶対おかしいってわかってる。

 あやくんは幼なじみで、かわいい弟なのに。
 あやくんのことは好きだけど、そういう好きじゃない。

 それなのにキスなんて。


「つづ――」

「っ、ん……っ」


 唇に柔らかい感触が押し当てられる。
 いつの間にか目の前にあやくんの綺麗な顔があって――触れられているのがあやくんの唇だとわかった時、全身がブワッと熱くなった。


「んん……っ」


 今、あやくんとキスしてる。

 触れるだけの唇から舌が覗き、私の唇をなぞる。
 くすぐったい感覚に思わず唇を少し開けると、甘い熱が注ぎ込まれた。


「んっ、ふぅ……っ」


 初めてなのに、いきなりこんな甘いキス。

 ダメって思ってるのに、この熱から逃げられない。


「はあ……っ」


 もうダメだ、酸素が足りない。息ができないよ。


「頑張ったね、つづ」


 あやくんはよしよしと私の頭を撫でる。


「今日からつづは俺専属の世話係だから。身の回りの世話はもちろん、“こっち”もよろしくね?」

「あうう……」


 そう言ってあやくんは、小悪魔みたいな笑顔で私の唇に指を押し当てた。

 それから私たちは、誰にも言えない秘密の関係になった。

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