キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜

キスに溺れる



「つーづ」

「ふぎゃあっ」

「ふっ、なんて声出してんの」

「だって、急に抱きつくから……!」

「いいじゃん」


 寝起きのあやくんは後ろから抱きつくと、すりすりと頬を寄せる。
 まるで猫みたい。


「おはよ」


 そしてチュッと私の額にキスを落とす。


「……っ! 今のは」

「おでこだからノーカン」


 あやくんはニコッと微笑む。


「うう……っ」


 あやくんのお家で住み込みのお世話係をすることになった。
 家事全般をやらせてもらうことには何の問題もない。

 だけど、この同居のルールは毎日必ずあやくんとキスすること。

 それも唇と唇の。
 今みたいなおでこのキスはカウントされないらしい。

 てっきりどこでもいいのかと思っていたらノーカンだと言われ、それ以来キスに翻弄される日々を送っている。

 あやくんは不意におでこやほっぺにもキスする。
 それだけでもドキドキするのに、ルールのキスには入らない。

 唇のキスはいつされるかわからないし、チュッと触れるだけのものだったり呼吸ができなくなるくらい甘かったり。

 こんな毎日が一週間続いたけれど、全く慣れそうにない。


「行ってきます」

「い、いってきます……っ」

「何? 行ってきますのキスされると思った?」

「っ!!」

「今日はしないよ。じゃあね」


 こんな感じであやくんに振り回されまくっています……。

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