キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


 あやくんが何を考えてるのかわからない。

 とりあえずキス魔だってことはわかるけど、好きでもない人とキスってできるものなの……?

 それに私たち、家族だったんじゃないの?
 そう思っていたのは、私だけだったのかな?


「はあ……」

「どうしたの? ため息なんてついて」

「結川くん。ごめんね、辛気臭くて」

「いや全然……あの、実は少し聞いてしまったんだけど。その、千歳さんが退学になるかもって」


 結川くんのメガネの奥の瞳は、すごく心配そうだった。


「ああ、そのことね。それは何とかなったんだ」

「本当に?」

「うん、なんとか退学は免れたよ」

「そっか、よかった……」


 結川くんはほっと胸を撫で下ろす。


「千歳さんがいなくなったらどうしようって心配だったんだ」

「ありがとう。心配かけてごめんね」


 いい人だなぁ、結川くん。
 私なんかのこと気にかけてくれて。


「俺で良ければ力になるから、困ったことがあったら言ってね」

「ありがとう!」


 なんていい人なんだ。
 結川くんって学級委員長の鑑だと思う。

 あ、そうだ。
 困ったこととは違うけど、結川くんに聞いてみようかな。


「ねぇ結川くん、聞いてもいい?」

「何?」

「男の子って好きでもない人とキスできるの?」

「え……?」


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