キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
私は今のあやくんのこと、何も知らないんだ。
いや、知らないなら知れば良いじゃない。
今のあやくんのこと、もっと知りたい。
あやくんのお世話係になってから、コンビニのアルバイトは減らした。
早朝勤務はやめて、放課後週三くらいでシフトに入っている。
あやくんのお世話係がメインのお仕事だし、あんな働き方してたら体壊すってあやくんにも言われたから。
今私の雇い主はあやくんなので、大人しくそうすることにした。
それから、バイトの帰りは必ず迎えに来てくれることになった。
私は一人で大丈夫って言ったんだけど、バイトを続けたいならそうさせろって。
「うーん、やっぱりあやくんがわからない」
私がお世話する側なのに、あやくんの仕事を増やしてるような気がするんだけど。
「何がわからないの?」
レジの前でぼんやりしてたら、目の前にあやくんがいた。
「えっ! あやくん!」
「まだ上がらないの?」
「もう上がるから少し待ってて」
私は急いでタイムカードを切って着替えた。
コンビニから出るとあやくんが立って待っていた。
「お疲れ」
「あ、ありがとう」
「帰ろう」
「うん」
コンビニからあやくんのタワマンまではそれなりに距離があるのに、必ず迎えに来てくれる。
ふと、昔のことを思い出した。
「ねぇあやくん、私がピアノ教室に通ってた時のこと覚えてる?」
「覚えてるけど?」
「あやくんがいつもお家の前で待っててくれたよね」