キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
淡々と述べられた用件は、やっぱりかぁって思うものだった。
「その際に支払われた額も十分なものとは言えません」
「あれが精一杯なんです。コツコツ貯めて、やっと振り込めたんです」
「ですが、これ以上は見過ごせません。今月中に十二分な寄付金をお支払いいただけないのであれば、あなたは退学となります」
「……」
ああ、ついにか。
いつか宣告されるとは思っていた。
高校三年になってまだ一ヶ月も経っていない。
なのに高校生活が既に終わろうとしている。
「お伝えはしましたので、今月中によろしくお願いします」
「……はい」
生徒会の人はそれだけ言うと立ち去ってしまった。
私は大きなため息を吐くしかなかった。
「これでも頑張ってるんだけどな……」
朝と夜でほぼ毎日コンビニのアルバイトをこなして、節約してコツコツ貯めてるのに。
この前振り込んだ寄付金は、結構頑張ったと思ったんだけどな。
今月中に払えなかったら、退学かぁ。
「どうしようねぇ……」
学校に寄付金を払うなんて普通じゃない。
うん、普通じゃないよね。
でも、それが私の通う糸奈学園のルールなんだ。