キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
絶対変な顔してるから見られたくない。
だけどヘロヘロにされた私に抵抗する力があるはずもなく、グイッと顔を向けられてしまった。
「そんな顔になっちゃうんだ?」
「ど、どんな顔……?」
「つづ、キスにハマっちゃった?」
は、ハマってなんかない……! と思う。
ふるふると顔を横に振るけど、多分意味ない。
「とろけ切った顔してるくせに」
「ちがうもん……」
「その顔、俺以外に見せるの禁止ね」
「うう……」
あやくんはチュッと私の頬にキスを落とす。
頬だから、これはノーカンだ。
「あやくんは、どうしてキスしたいの?」
どうしてキスするの? って聞くと、またしたいからって答えるから聞き方を変えてみた。
「なんでしたいか? つづがかわいいから」
「えっ!」
「かわいくて、いじめたくなる」
「〜っ、からかわないで……」
そうやってごまかすなんて、ずるいよ。
私ばっかりドキドキさせられて、あやくんは何でもない顔してる。
やっぱり、慣れてるってことなのかな。
色んな女の子と遊んでるって噂は、本当なの……?
女の子と遊ばない代わりに私とキスするの?
そう思うと何だか胸が締めつけられるように苦しかった。
ロールキャベツはすっかり冷めてしまっていた。