キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


 家に着いて少し落ち着いた私は、「先に風呂入ったら」と言われたのでお言葉に甘えさせてもらった。

 頭から思いっきりシャワーを浴びて、全部流してなかったことにしたかった。
 でも、心に大きな穴が空いたまま。

 ずっと目を逸らしたかった現実と直面してしまい、もう自分を偽ることができない。


「う……っ」


 ダメだ、また泣いちゃう。

 私は必死に目をこすり、また泣いたと思われないように念入りに顔を拭いた。
 脱衣所には見たことのないかわいいルームウェアが置かれていた。

 ラベンダーとホワイトのボーダー柄のかわいいルームウェアだった。
 タオル生地が気持ち良い。

 初めて見るやつだ、あやくんが用意してくれたのかな?
 とりあえずそれを着てリビングに行くと、あやくんはグレーのボーダー柄のルームウェアを着ていた。


「かわいいじゃん」

「あの、これ」

「destinyの新作。商品化するやつが届いたから着てみた感想聞かせて欲しいんだよね」

「かわいいし、タオル生地が気持ち良くて着心地もいいよ」

「よかった。それつづにあげる」

「いいの? ありがとう」

「俺もシャワー浴びてくるから、後でパジャマパーティーしない?」

「パジャマパーティー?」

「そう。今から背徳的なことしよ」


 ニヤッと笑うあやくんの手には、ポテトチップスの袋とチョコレートがあった。
 確かにこれは背徳的だ。

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