キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


「かんぱーい!」

「乾杯」


 私たちはアップルサイダーで乾杯する。
 グラスに注ぐとパッと見はシャンパンっぽくてちょっと背伸びした感じ。

 さっきあやくんが買ってたのはお菓子やらジュースだったみたい。
 それにしてもパジャマパーティー、懐かしいなぁ。


「昔もやったよね」

「やったね。二人でこそこそおやつを隠して、深夜にこっそり食べたよね」

「ね〜! あれめっちゃ楽しかったぁ!」


 深夜にお菓子を食べるワクワク感とイケないことをしてるヒリヒリ感がたまらなかった。
 バレて二人して怒られたこともあったっけ。


「ありがとうね、あやくん」

「何が?」

「私のために考えてくれて。気が紛れて楽しいよ」

「……そう」


 チョコレートをちまちまつまみながら、私はぽつりぽつりと話し出す。


「会社が倒産してからお父さんとお母さん、喧嘩することが多くなったの。お母さんが一方的に怒ってばかりだったんだけど。玉の輿に乗れたと思ってたのに会社が潰れて、人生計画が狂ったって何度も言ってた」


 お母さんは昔貧乏で苦労したらしい。
 奨学金借りてそこそこ有名な女子大に進み、とある企業の受付嬢になりお父さんと出会ったと言っていた。

 社長夫人になり、順風満帆な人生だと思っていたら会社が倒産。
 それからずっと不機嫌でお父さんにキツく当たってばかりいた。

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