キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
誰も寄せ付けたくなかったのに、その真逆だった。
この時知ったが、どうやら俺の容姿は悪くなかったらしい。
玖央ホールディングス御曹司という肩書きはもちろん、入学初日から堂々とピンク頭で登校する太々しさが逆に受けた。
「玖央くんってほんとにカッコいいよね〜。ピンクが似合うって相当イケメンじゃないと無理だと思う〜」
「……あっそ」
同じクラスの織笠は何かと俺にひっついて回った。
最初は適当にあしらっていたけど、段々それもめんどくさくなっていく。
「るこ、玖央くんとならいいよ……」
「……どいて」
「ああん、イジワル〜」
甘ったるい声出していい加減うっとうしいな。
織笠の父親は衆議院議員で地元ではなかなかの権力者だ。
年を取ってからできた娘らしく、目に入れても痛くないほど娘を溺愛しているらしい。
面倒なことに巻き込まれるのはごめんだったから強く言わずに適当に流していたけど、そろそろうざいな……。
そんな時だ、つづと再会したのは。
ぱっちりとした少しタレ目な二重、栗色のサラサラセミロングヘア。
小動物みたいなかわいらしさはずっと変わらない。
変わったことといえば、俺よりも目線が上だったのに今は見下ろすことになったことだろうか。
別れた時はホワイトのブレザーを着ていたが、今はブラックのブレザーにグレーのタイだった。