キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
つづ、てっきり辞めてると思ってたのに辞めてなかったんだ……。
A組からD組に落ちると、この学園じゃ色々言われるだろうにそれでもずっと通ってたのか。
その後、家が火事になって行き場をなくし、ネカフェに泊まると言い出した時は呆れた。
危なっかしいところも変わってないというか……。
偏見を持たない純粋で優しいところ、頑張りやなところ、前向きなところ、つらいことがあっても笑うところ、笑顔がかわいくて仕方ないところ。
そして、俺のことを弟としてか見ていないところ。
つづは昔のままだった。
俺が大好きな純真無垢なつづのままで――壊したくなった。
「よかった、本当はすっごく困ってて……! どうしたらいいのか全然わからなかったの。あやくんなら安心だよ!」
安心? 本当に?
今の俺はつづに何するかわからないよ。
「一緒に寝る!?」
「昔もよく一緒に寝てたじゃない! 同じ布団にくるまって!」
何歳の頃の話してんの?
つづの中での俺はずっと「かわいいあやくん」のままってこと?
相変わらずの弟扱いにイライラした。
その時、色んなことにイライラして荒んだ心になっていた俺はつづにイジワルしたくなった。
いつまでも弟扱いするなよ。
俺だって男だ。
更に今のつづの状況を調べさせてもらい、退学寸前にまでなっていると知ったからつづの名前で一千万円を振り込んだ。
真面目なつづはきっと受け取れないって言うと思う。
だからこう言った。
「だからつづ、俺の世話係になってくれない?」