キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
やっぱり俺は何もできないガキのままなんだ。
つづのことを守れる男になるとか言ってたくせに、結局何も守れていない。
*
「いか、ないで……」
そっと部屋から出ようとした時、消え入りそうなほどさみしい声に呼び止められる。
「おかあさ……かないで……」
悪い夢でも見ているのだろうか。
眠りながらも涙を流し、母親を思うつづ。
俺はそっとつづの手を握りしめる。
「傍にいる。今度こそ、つづのこと守るから」
チュッと瞼にキスを落とす。
イジワルばかりしてごめんね。
これからはもっとつづのこと甘やかすから。
つづの傷も全部丸ごと包み込んで愛したい。
じっくり愛でてドロドロにかわいがって甘やかして、俺のことしか考えられなくしてあげる。
「……好きだよ、つづ」
他の女なんか目に入らない。
初めて会った時からずっとつづだけが好き。
身分差とかそんなの知らない。
俺にはつづだけなんだ。
だから、今度こそちゃんと男として振り向かせる。
ずるいことはしない、誠心誠意愛を伝えるから。
「覚悟しててね」
愛しい幼なじみにもう一度キスを落とし、その夜は手をつないだまま同じベッドで眠りについた。