キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


 やっぱり俺は何もできないガキのままなんだ。

 つづのことを守れる男になるとか言ってたくせに、結局何も守れていない。





「いか、ないで……」


 そっと部屋から出ようとした時、消え入りそうなほどさみしい声に呼び止められる。


「おかあさ……かないで……」


 悪い夢でも見ているのだろうか。
 眠りながらも涙を流し、母親を思うつづ。

 俺はそっとつづの手を握りしめる。


「傍にいる。今度こそ、つづのこと守るから」


 チュッと瞼にキスを落とす。

 イジワルばかりしてごめんね。
 これからはもっとつづのこと甘やかすから。

 つづの傷も全部丸ごと包み込んで愛したい。
 じっくり愛でてドロドロにかわいがって甘やかして、俺のことしか考えられなくしてあげる。


「……好きだよ、つづ」


 他の女なんか目に入らない。
 初めて会った時からずっとつづだけが好き。

 身分差とかそんなの知らない。
 俺にはつづだけなんだ。

 だから、今度こそちゃんと男として振り向かせる。
 ずるいことはしない、誠心誠意愛を伝えるから。


「覚悟しててね」


 愛しい幼なじみにもう一度キスを落とし、その夜は手をつないだまま同じベッドで眠りについた。


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