キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


 そのまま顔を洗いながら、あやくんに言った。


「あの、昨日はありがとう。あやくんが一緒にいてくれて、ちょっと落ち着いた」

「そう?」

「うん、もう大丈夫だよ」


 私はニコッと微笑む。


「本当に大丈夫?」


 あやくんが私の頬に両手を添えて顔を覗き込むので、またドキッとしてしまう。


「無理してない?」

「してないよっ! 簡単に受け入れられることではないけど、でも……」


 あやくんがいてくれるなら、大丈夫。
 
 すごく自然にそう思っていたことに、自分でもすごくびっくりする。


「でも?」

「っ、ううん! とにかくもう大丈夫っ」

「つづは無理して笑うくせがあるから。俺にはちゃんと言ってね」

「……はい」

「ん、約束」


 小指を差し出されたので私も小指を絡め、指切りげんまんをした。
 優しく微笑むあやくんにドキンと胸が高鳴る。

 ――あ、どうしよう。
 なんだかあやくんの顔が見られない。

 てか私、昨日すごく大胆なこと言ってなかった!?
 自分からキスしてなんて……恥ずかしすぎる。

 気持ちが不安定になっていたとはいえ、なんであんなこと言っちゃったんだろう……。

< 67 / 138 >

この作品をシェア

pagetop