キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
それから一緒に朝食を食べ、一緒に登校した。
一緒にと言ってもあやくんはあっという間に囲まれて、私は道端の小石みたくなると思うけど。
もう最初からあやくんから少し離れて歩いた方がいいよね。
「……なんで離れるの?」
「邪魔になるかなって」
「なんで? ほら行くよ」
ぐいっと手をつながれ、また顔が熱くなる。
えっ!? ちょっ、なんで!?
パニクる私をよそに、手をつないだまま歩くあやくん。
ただでさえあやくんは目立つのに、D組の私なんかを連れているからもう周りの視線が痛い痛い。
「あっあやくん、はなして……!」
流石にやばいって!!
「ちょっと!! そこのD組、玖央くんの何なの!?」
ほらーー!! やっぱり!!
私が恐る恐る振り返ると、いつもあやくんにベッタリなツインテールの女の子が顔を真っ赤にしながらにらみつけていた。
「D組のくせに玖央くんと一緒にいるなんて、何様のつもり!?」
「え、えーーと……」
「早く離れなさいよ!!」
は、離れたいんだけどあやくんがぎゅうぎゅう握りしめるから振りほどけないんです……!
あやくん、流石に離して……!!
目で訴えかけようとしたら、今度は肩を抱き寄せられた。
「俺が誰と一緒にいようが、あんたに関係なくない?」
「っ!」
あやくんは低く冷たい声で突き放した。
思わずツインテールの子はビクッと肩を震わせる。
「俺がつづと一緒にいたいんだよ」