キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


 やばい、今のはめっちゃ嬉しい……。

 触れられた肩に熱がともる。
 握られていた手も熱い。

 どうしちゃったんだろう、私。
 あやくんに触れられると、全部熱くてドキドキするの。


「もう俺につきまとうな」


 あやくんはそう吐き捨てると、私の手を引いたままスタスタと立ち去ってしまった。

 あやくんがああ言ってくれたのはすごく嬉しいけど、でもいいのかな?
 あの子、あやくんのこと好きなんじゃ――。


「あの、あやくん!」


 スタスタ行こうとするあやくんを呼び止める。


「その、いいの? あの子、かわいそうなんじゃ……」

「ずっとしつこくつきまとわれて迷惑してたんだよ」

「でも、あの子はその、前に遊んでた相手じゃないの……?」


 確かあやくん、前にそんなようなこと言ってなかったっけ……?

 他の女の子とは遊ばない代わりに私とキス……ってことじゃなかった??


「ああごめん、あれ嘘」

「えっ!?」

「本当は誰とも遊んでない。ああいう感じで言い寄られてたけど、めんどくさくて適当にあしらってただけ」

「そうだったの!?」


 やっぱり女の子を取っ替え引っ替えなんてしてなかった!
 あやくんはそんなことする子じゃないって信じてたよ!


「ごめんね。つづがかわいいからついイジワルしてた」

「えっ!?」

「でも、あんなことするのつづだけだから」


 ちょん、と人差し指で私の唇に触れるあやくん。

 えっ!? そ、それって……


「今日はバイトある?」

「ない、けど……」

「じゃあ一緒に帰ろ」
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