キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
ぶつかりそうになった相手を見て、私は思わず息を呑む。
だって、鮮やかなピンク色の髪をしていたから。
かなり目立つ奇抜な髪色だけど、ものすごく似合っている。
それどころかめちゃくちゃカッコいい。
それもそのはず、そのピンク髪の男の子は目鼻立ちの整ったかなりのイケメンなんだから。
しかもホワイトジャケットだ。
目線の高さ的にもかなり背が高い。
スラリとした長身で足が長く、モデルみたい。
三年ではないと思うけど……誰なんだろう?
「どうしたの? 玖央くん」
ピンク髪のイケメンに目を奪われて気づいてなかったけど、隣にはツインテールのかわいい女の子がいた。
同じくホワイトジャケットを着ていて、男の子の腕にぎゅっと抱きついている。
彼女さん……かな?
「グレータイってことはD組じゃない。ぼーっと突っ立ってないで、どいてくれる?」
「あ……ごめんなさい」
厳しい視線でにらみつけられた。
こういうのはもう慣れた。
はっきりとランク付けされるからこそ、こういう目で見られてしまう。
特に私みたいな落ちこぼれは。
「……」
ピンク髪のイケメンは何も言わずに行ってしまった。
女の子は彼には甘い声で熱っぽい視線を送っている。
好きな人の前ではメロメロなんだろうね。
うん、かわいいね。
なんて思いながら今度こそ教室に戻った。