キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


 本当に私、どうかしちゃったみたい。
 一緒に帰れるだけでこんなに嬉しいなんて。


「うん……」

「終わったら迎えに行くね」


 おでこに軽くキスを落とし、あやくんは一年生のフロアへ行ってしまった。

 学園なのに、誰かに見られるかもしれないのに、ドキドキして心臓がおかしくなっちゃいそう。

 なんか今日のあやくん、すごく甘い。
 砂糖とはちみつを一度にかけたみたいに甘くて、とろけそうになる。

 しばらくぼうっとしてしまったけど、私も自分の教室に行かなきゃ!

 私とあやくんが同じ年だったら、同じ教室で授業を受けていたのかもしれない。
 二歳の年の差をこんなに残念に思ったことは初めてだ。


 *


「つづりん、ピンク王子とどんな関係なの?」


 教室に入るなり、紗良ちゃんの尋問を受けた。

 しっかりバッチリ見られていたらしい。
 流石に隠せないと思い、これまでのことを話した。


「えーーっ!? 幼なじみで一緒に住んでるとかドラマじゃね!?」

「紗良ちゃん、あんまり大きな声で言わないで」

「あ、ごめ〜ん。てか家が火事とか初耳だし! なんで言ってくれなかったん?」

「ごめんね、心配かけたくなくて……」

「心配するっしょ! でもでも、あたしの言ったことガチだったじゃん! A組のハイスペイケメンに見初められちゃうかもって。しかもあのピンク王子とか最高すぎ!」

「そ、そんなんじゃないよ……」

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