キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


 あやくんと一緒にいるとドキドキする。

 あやくんが笑いかけてくれると心がほわんとあったかくなって、時々イジワルだったり甘かったりして、ドキドキが止まらない。

 あやくんのことを考えてると、胸がきゅうっと苦しくなる。
 これが恋なの……?


「まあ、きっとそのうちわかるって〜」


 紗良ちゃんはポンポンと私の頭を撫でた。


「答えはつづりんの中にある! って思うな〜」

「そう、かな……」


 一つだけ、確実に言えることがある。

 もうあやくんは弟じゃない。
 多分一人の男の子として意識しちゃってる。

 でもこれを恋と言ってもいいのか、恋愛未経験の初心者すぎて自信が持てなかった。


* * *


 授業が終わって放課後。
 あやくん、迎えに来てくれるって言ってたけど、まだかな……?

 早くあやくんに会いたい。
 学年が違う上にA組とD組は校舎も違うから全然会わない。

 それに今日まだキスしてない……。


「〜〜っっ」

「つづりん? なんでバッグに顔埋めてんの?」

「なんでもないの……」


 やっぱりこれ、恋なのかな……?
 それとも私がヘンタイなだけ?

 完全に順番がめちゃくちゃなことしてるから、わからない……!


「今日カレピとデートだから先帰んね〜」

「バイバイ、紗良ちゃん」


 紗良ちゃんを見送り、私はふうと息を吐く。
 とにかく落ち着かないと――これからあやくんが来るのに、どんな顔して会えばいいのかわからなくなっちゃう。

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