キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


「るこがダメでD組のオバサンの方がいいとかありえないから!」


 どうやらあの子、るこちゃんという名前らしい。
 かわいいピッタリな名前だな……ってそれどころじゃなかった!

 てかオバサンって私ですか!?
 二歳しか変わらないんだけど!?


「あ、あの! ここから出して……!」

「だったら玖央くんに二度と近づかないって約束して」


 え……? それは――。


「玖央くんみたいなハイスペイケメンがあんたみたいな底辺のオバサン、本気で相手にすると思う? 遊ばれてるに決まってるんだから」

「違う! あやくんはそんなことしない!」

「わかったようなこと言わないでよ! 玖央くんに相応しいのは、るこなんだからっ! ねぇ、早く扉ふさいじゃってよ」


 るこちゃんがそう言うと、何かを動かしているようなギーギーという音が聞こえた。
 もしかして、何かで扉をふさごうとしてる……?


「開けて!! ここから出してよっ!!」

「っ、ごめん千歳……」


 え……?
 もしかして今の声、石田くん?


「D組は使いっ走りがお似合いなのよ。しばらくそこで反省したら? 自分がどれほど身の程知らずか考えることねっ」


 その捨て台詞を最後にるこちゃんの声は聞こえなくなった。
 それどころか人の気配を感じなくなった。

 私はスマホを取り出そうとしたが、どこにもないことに気づく。

 そうだスマホ、バッグの上に置いてきちゃったんだ……。
 こんな時に何やってんの!

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