キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
どうしよう……でも行く前にあやくんにメッセージを送ってる。
きっと気づいてくれるはず。
お願い、あやくん助けて……!!
「っ、あやくん……」
私は扉の前で膝を抱えて座り込む。
さっきの声、石田くんだったよね。
ここに呼んだのも石田くんだったし。
るこちゃんに頼まれたのかな……。
そんなにランクの違いって大事なのかな。
私はおじいちゃんが生きていた頃、おばあちゃんとの出会いの話を聞かせてくれた時のことを思い出す。
「おばあちゃんを初めて見た時、身体中に衝撃が走ったんだ。もう本能が言っていた、この人しかいないとね」
「ほんのー?」
「要するに一目惚れだったんだよ。おばあちゃんには身分が違いすぎると何度も断られたけど、諦められなかった。身分なんて関係ない、どうしてもおばあちゃんじゃなきゃダメだったんだ」
おじいちゃんの熱烈な想いが届き、二人は結ばれた。
長い間幸せな夫婦だった。きっと今も、空の上で仲睦まじく寄り添っているんだろうな。
おばあちゃんのことを話している時のおじいちゃん、本当に幸せそうだった。
「……あやくん、まだかな」
あやくんに会いたい。
おじいちゃんのことを思い出していたら、何故かあやくんに無性に会いたくなってきた。
お願いあやくん、早く来て――。
「……つづっ!!」