キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


 だって、あやくんの本音を聞くのが怖い。
 あやくんが本当は私のことどう思ってるのか……知るのが怖いんだ。


「あやくんは、幼なじみだから私に優しくしてくれるのかも。前に危なっかしいって言われたことあるし」

「話聞いてる感じ、めっちゃつづりんのこと大事にしてるって思うけど〜」

「……実は紗良ちゃんに言ってなかったんだけど、この前お母さんのこと見かけたんだ。他の男の人と一緒にいた」

「えっ!?」

「私それ見てすごくショック受けて……あやくんの前で号泣しちゃった。そんな私を見てるから、ほっとけないんじゃないかな」


 甘やかしたいって言ってくれるのは、多分そういうことだと思う。

 あやくんは優しいから。
 私がつらい時、いつも傍に寄り添ってくれようとしてくれる。

 おじいちゃんが亡くなった時もそうだった。
 あやくんはずっと一緒にいてくれたんだ。


「つらかったね」


 紗良ちゃんはよしよしと頭を撫でてくれた。


「つづりんは抱えこみすぎ! 少しはあたしのことも頼ってよ!」

「紗良ちゃん……」

「話聞くことくらいしかできないけど、あたしだってつづりんのこと大好きだし!」

「ありがとう、紗良ちゃん。私も紗良ちゃん大好き」


 D組のままが良かったのは、紗良ちゃんと離れたくなかったからというのが大きい。
 それくらい紗良ちゃんは大好きで大切なお友達なんだ。

< 79 / 138 >

この作品をシェア

pagetop