キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


* * *


「ガチ!? つづりん退学しちゃうの!?」


 紗良ちゃんに呼び出されたわけを話したら、大声で叫ばれてしまった。

 ちなみに今は放課後の教室で私たち以外には誰もいない。
 バイトの時間までの時間潰しに付き合ってもらってるところ。


「ムリムリ! つづりんいなくなるとか無理すぎなんだけど。ママに頼んで寄付金おねだりしちゃおっかな」

「ダメだよ! そんなご迷惑かけられないから」


 紗良ちゃんのお母さんは女優の(くれない)ユラさん。
 ドラマや映画、舞台で数多くの主演を務める大女優。

 だけど世間では独身ということになっており、実は娘がいることはトップシークレット。
 だから寄付金を一定額で留め、敢えてD組に在籍してるそうだ。


「ママはそれくらいのワガママ聞いてくれてもいいと思うんだよね。相変わらずほったらかしだし」

「でも、これは私の問題だから紗良ちゃんのことは巻き込めないよ」

「あたしの問題でもあるっつーの! ガチでつづりんいなくなったらさみしい!」

「紗良ちゃん……」


 紗良ちゃんの優しさにじーんとしてしまう。


「あたしこんなんだから学園ではずっと浮いてたし。でもギャルはあたしの生きがいでもあるから変えたくねーし。けどさ、高等部からつづりんが来てくれてめっちゃハッピーだったんだよ。このカッコ、初めてほめてくれたんだから」


 だって紗良ちゃん、ヘアメイクがとっても上手ですごくかわいかったから。
 爪も綺麗だったし、制服の着崩し方もおしゃれだった。


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