キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
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「ガチ!? つづりん退学しちゃうの!?」
紗良ちゃんに呼び出されたわけを話したら、大声で叫ばれてしまった。
ちなみに今は放課後の教室で私たち以外には誰もいない。
バイトの時間までの時間潰しに付き合ってもらってるところ。
「ムリムリ! つづりんいなくなるとか無理すぎなんだけど。ママに頼んで寄付金おねだりしちゃおっかな」
「ダメだよ! そんなご迷惑かけられないから」
紗良ちゃんのお母さんは女優の紅ユラさん。
ドラマや映画、舞台で数多くの主演を務める大女優。
だけど世間では独身ということになっており、実は娘がいることはトップシークレット。
だから寄付金を一定額で留め、敢えてD組に在籍してるそうだ。
「ママはそれくらいのワガママ聞いてくれてもいいと思うんだよね。相変わらずほったらかしだし」
「でも、これは私の問題だから紗良ちゃんのことは巻き込めないよ」
「あたしの問題でもあるっつーの! ガチでつづりんいなくなったらさみしい!」
「紗良ちゃん……」
紗良ちゃんの優しさにじーんとしてしまう。
「あたしこんなんだから学園ではずっと浮いてたし。でもギャルはあたしの生きがいでもあるから変えたくねーし。けどさ、高等部からつづりんが来てくれてめっちゃハッピーだったんだよ。このカッコ、初めてほめてくれたんだから」
だって紗良ちゃん、ヘアメイクがとっても上手ですごくかわいかったから。
爪も綺麗だったし、制服の着崩し方もおしゃれだった。