キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


 そう、なのかな……。

 総一郎さんがそう言ってくれるのに、そうなのかもって思えないのは……多分「好き」の二文字を聞いたことがないからだ。

 自分に自信が持てないから、あやくんの気持ちを知るのが怖い。
 本当はこんなにも知りたいって思ってるのに。

 だから、自分から伝える勇気もない。


「紗良ちゃんはすごいね。自分から告白したんだもんね」

「だって言いたかったから!」


 総一郎さんとの今があるのは、きっと紗良ちゃんが勇気を出したからだ。

 それに比べて私は、本当に意気地なしだな。
 ため息を吐きながらロイヤルミルクティーをちびちび飲んでいると、カラランとカフェのベルが鳴る。


「いらっしゃいませ」


 その人物を見て、思わず目を見開いた。


「結川くん……!」

「千歳さん……」

「あれ〜!? いいんちょ!」

「篁さんも……邪魔しちゃうね」


 結川くんが帰ろうとするので、慌てて紗良ちゃんが結川くんの腕を引っ張った。


「帰らなくてもいいじゃん! ここあたしのバイト先で紅茶もコーヒーもめちゃウマだから!」

「そうなんだ」

「あーカウンターじゃなくてテーブルのがいっか! そーちゃん、いいよね!?」

「うん、もちろん」

「つづりんもこっち来なよ〜」

「えっ」

「てか二人でごゆっくり〜」


 さ、紗良ちゃん!?

 結川くんと二人きりで話せってこと!?

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