キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
紗良ちゃんは離れたカウンター席からグッと親指を立てている。
えー、気まずいよ……。
いやでも、さっきあんなことになっちゃったこと謝らないと。
「千歳さんっ」
「結川くん」
あ、被っちゃった。
「千歳さん、どうぞ」
「いやいや、結川くんから」
「アイスコーヒーになります」
総一郎さんが結川くんのオーダーしたアイスコーヒーを持って来てくれた。
「この席、柱が仕切りになってくれるから、人目を気にせずゆっくりと話せますよ」
総一郎さんはニッコリと微笑み、カウンターに戻って行った。
カップルの後押しを受け、とにかくまずは結川くんと話そうと思った。
「結川くん、さっきはごめんなさい」
「千歳さん……」
「話の途中であんなことになって、すごく失礼だったと思う。本当にごめんなさい……」
「……聞いていいかな? 彼、一年の玖央くんだよね? 付き合ってるの?」
「付き合っては、ない」
自分で言ってグサっと刺さる。
「あや……玖央くんとは幼なじみで、訳あって今一緒に住んでるの」
「一緒に住んでる!?」
「そうなんです」
「そう、なんだ……」
結川くんは明らかに複雑な表情を浮かべながら、アイスコーヒーを一口飲んだ。
「あのっ、それでさっきの話の続きなんだけど……!」
「待って」