キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜


 そのメッセージだけで、きゅうっと胸が締め付けられる。
 あやくんに会いたいって思ってる自分がいる。

 結川くんにあんなこと言われたばかりなのに、やっぱりダメだ。
 私はあやくんのことが好き、大好き。


「紗良ちゃん、総一郎さん。やっぱり、帰ります……!」

「うん、また来てね」

「また明日〜」

「また明日!」


 お会計をして私はカフェを飛び出した。

 急ぐ必要なんかないのに、勝手に足が動いて走ってる。
 早くあやくんに会いたい。

 会って何を話していいのか、心の整理はできてないのに。


「ただいま!」

「おかえり」


 柔らかい笑顔で出迎えてくれるあやくんを見ただけで、何故か泣きたくなった。


「おかえり、つづ」


 あやくんは私を引き寄せると、優しく抱きしめる。


「さっきはごめん」

「あやくん……」

「怖がらせたよね」


 あやくんの声色も抱きしめる腕も優しくて、胸がキュンとして止まらない。


「ううん、大丈夫」

「本当に?」

「うん」

「許してくれる?」


 あやくんの頭に垂れた犬耳が見える。
 シュンとして切なそうに見つめるこの瞳に、昔から弱い。

 許したくなっちゃうじゃない……!


「許す……」

「よかった。ありがとう、つづ」


 そう言ってまたぎゅうっと抱きしめてくるあやくん。
 もう、ずるいよ……!

 これが惚れた弱味ってやつなの?


「それと、メイクもかわいいよ」

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