キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜

君に溺れる



「おはよう」

「おはよ、あやくん。朝ごはんできてるよ」

「ありがとう。いただきます」

「いただきます」

「そういえば、もうすぐアレだね。マスカレード」

「! ああ」


 マスカレードパーティー。
 その名の通り、全校生徒が仮面を付けて参加するダンスパーティーだ。

 上流階級の集う糸奈学園独特の行事。
 このダンスパーティーは全員が仮面を付けて参加するため、クラスは関係ない。

 マスカレードの間だけは誰もが平等になる。


「実は私、マスカレードに参加したことないんだよね」

「そうなの?」

「うん、ドレスを借りるお金がなくて」


 マスカレードは煌びやかなドレスやタキシードに身を包んで踊るもの。
 だけどドレスに使うお金などなかった私は、毎年マスカレードは欠席していた。


「今年も参加しないつもり。お金は少しでも貯めておきたいし」


 あやくんのおかげで多少は余裕が出てきたけど、だからこそコツコツ貯めていきたい。


「じゃあ、俺がドレスをプレゼントするよ」

「えっ!? そんなのダメだよ!」


 これ以上あやくんに甘えることはできない。
 住み込み家政婦をさせてもらって、寄付金まで払ってもらっているのに。


「いや、つづに広告塔になってもらいたいんだけど」

「広告塔?」


 あやくんはあるパンフレットを見せてくれた。

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